質問2「優越感をもつことで、劣等感を克服できるのでは?」 [自尊心]

よく聞かれる質問ですが、それは間違いです。優越感によって劣等感を克服すことはできません。優越感は比較するものが自分の外にあり、誰かと比較して自分のほうが上だという時に感じるものです。しかし、比較する人が違っていて、自分のほうが下だと感じることだってある(そのようなケースのほうが多い)わけで、常に勝ち続けることは不可能です。そのような時は劣等感を感じることになり、この優越感、劣等感は相対的な感情だということがわかります。
つまり、勝ったり負けたりするのが人生で、常勝はありえないと割り切ることができるかどうかで、心の平安が保てるかどうかが決まってくるのです。
他者と比較しないことこそが解決策です。
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質問1「東大生は劣等感をもたないのか?」(19) [自尊心]

自尊心についての記事を投稿したところ、いくつかの質問を受けました。その一つがこの質問です。
エリートの象徴のように見られる東大生が劣等感をもっていると言ったら驚かれるかも知れませんが、これは入ってみなくてもわかることです。彼らは小さい時から成績が優秀で、学校では常に1,2を争ってきた学生たちです。そして、受験戦争のなかでひたすら友人たちと比較・競争し、自負心(自己効力感)のみで生きてきたその学生が、いざ東大に入学してみて、自分より頭の良い学生がいっぱいいるのを見て、一様にショックを受けるのです。そして、一番でないと気が済まない自分が、そうでない自分を許せなくなるのです。一種の挫折感です。世間では贅沢な悩みというでしょうが、当の学生にしてみれば、深刻な悩みなのです。これは、評価基準を自分以外のものに求めてひたすら「比較・競争する」ことで自分の存在意義を確かめてきたツケが回ってくるのです。
 ただし、東大生の中には、自尊心の高い人がいることも確かで、そのような学生は、自分が学びたい講座と教授陣がそこにあり、それに魅力を感じたから東大を目指したのであり、その講座が東大になければ他の大学でもよいのです。だから、彼らは、東大に入るために競争を勝ち抜いてきたという気がしないのです。学びたいことがあるから入ったところが東大だったということです。そこには自尊心の高い人の特長である「成長」の論理が働いていて、他者との「比較・競争」は問題にならないのです。
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自尊心を高める(18) [自尊心]

いよいよ、このテーマ(自尊心)について筆を置く時が来たようだ。
これまで自尊心の功罪についてみてきたが、誰もが自尊心を高くもってほしい。自尊心は人生にとって重要なすべての側面に影響を与える。だからこそ自尊心を高めることは、人が生きていくうえで最も重要なことの一つなのだ。
自尊心を高めることは難しくない。「自分の人生を生きるのだ」と決心すれば、次のようなことを当たり前のこととして受け入れ実践することができるはずだ。
① 自分を受け入れる
 人が一生よりどころにできるのは自分しかない。自分を受け入れ、仲良くすることで自分というものの存在をよりどころ(自灯明)にして生きていくことができる。そして、「自分の人生を生きよう」と決心しさえすれば、他者のことは気にしないで自分の人生を生きていけるはずだ。
② 他者と比較しない
他者との比較は劣等感のもととなる。自分を他者と比較しないで、自分が過去よりどれだけ成長したかを考えよう。また、将来どれだけ成長するかを考えよう。希望は、成長という視点にたったときに生まれるものだ。
③ 劣等感を成長のチャンスととらえる
劣等感を感じたら成長するチャンスだと考える。そのためには「自分はどうなりたいか」という目標をもつことだ。目標をもつことで初めて劣等感を克服しようという正の補償行動が起こってくる。
④ 自分の悩みを打ち明けられる友人をもつ
良い人間関係は、お互いに飾らないことを前提とする関係だ。自分にも相手にも正直であり続
けられる人間関係。心を開いて話を聞き合える友人は何ものにも代えがたい。
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あと2回ほど、これまで受けた質問についてコメントする予定です。

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AMM研修の感想文(2) [自尊心]

今日は、2人目のMさんの感想文を紹介します。
「AMM研修を受けて、まず自分自身について知っているつもりでしたがいろんなテストを受けてみて自分がどれだけ自尊心がある人間なのかを知ることができました。
「ストレスを味方につける」のテーマの中で、今までストレスや劣等感はマイナスなイメージしか持っていませんでしたが、プラスに転じられること。ありのままの自分を受け入れもっと良くなろうと思う、ストレスに対する考え方を変えるだけで自分自身の行動や結果が変わってくることを知ることができてとても良い勉強になりました。
貴重なお時間をありがとうございました」
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AMM研修の感想文(1) [自尊心]

参考までに、先日実施したAMM研修の感想文が送られてきたので、そのうちの2人の感想文を紹介したい。受講生がこのプログラムをどのようにとらえているかが見えてくる。解説を加えずそのまま紹介します。
今日は、1人目のAさんだ。
「AMM研修を受けて、ぼんやりとしか考えられていなかった将来を、具体的に分かりやすいビジョンとして残しておけたことは非常に有意義な経験が出来たと思っています。アファメーションで作成した自分の目標に近づけるように努力していきたいです。
また、私は私のことを案外知らなかったんだなあと強く思いました。私は自分を良く見せようと行動することが多いのですが、それは自分に自信があるからではなく、自分のことが嫌いだから、そういった面を周りに見せないようにするために行動していたことにも気付けました。自尊心テストを受けて、自分に向き合うきっかけがあったからこそ気付くことが出来たと思います。気付きの多い研修でした。三日間ありがとうございました。」
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社員の採用基準に入れてほしい「自尊心」(17) [自尊心]

これまで見てきたように、自尊心の高い人は、大きく2つの条件をそろえている。その2つとは、
① 成長思考であること、②共生(Win-Win)の生き方ができること、である。
自尊心の高い人を採用できたら、その組織(企業)の社内風土を改善し、さらに高い業績にも貢献してくれるだろう。
だからこそAMMプログラムでは、第一部(個人の問題)の最後のテーマに自尊心を取り上げて第二部(組織の問題)につなげているのだ。そして、自尊心の高い人を採用すれば、組織の人的問題はほとんど解決するはずだ。「ビジョナリーカンパニー」の著者ジェームズ・C・コリンズも「偉大な組織をつくるためには、最初に適切な人を選ぶ(バスに乗せる)ことだ」と喝破している。
そのため、AMM研修を行う企業から、研修時に行う「自尊心テスト」を採用試験のときに使わしてほしいと依頼されることがある。
そんな時には喜んで利用してもらっている。
ただし、企業に対しては、研修時に行う自尊心テストの結果はあくまで研修時点のものであり、研修を受けることで変化(成長)するはずだから、1年後の姿を見てあげてほしいとコメントすることにしている。自尊心に対するマインドセットが変わることで、社員はそれまで以上に会社に貢献しているはずだ。
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自尊心に関連する全体図 [自尊心]

ここまで、自尊心に関する事象を一つひとつ見てきたが、それでは自尊心を中心に据えた全体が見えてこない。そこでそれらを概観する全体図としてまとめると次のようになる。

評価基準 生き方    劣等感に対して
自尊心が高い 自分自身 共 生(Win-Win)    正の補償行動

自尊心が低い 他者   比較・競争(Win-Lose)   負の補償行動
  勝つ     優越感
  引き分け   負けなくてよかった
  負ける    劣等感

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