質問1「東大生は劣等感をもたないのか?」(19) [自尊心]

自尊心についての記事を投稿したところ、いくつかの質問を受けました。その一つがこの質問です。
エリートの象徴のように見られる東大生が劣等感をもっていると言ったら驚かれるかも知れませんが、これは入ってみなくてもわかることです。彼らは小さい時から成績が優秀で、学校では常に1,2を争ってきた学生たちです。そして、受験戦争のなかでひたすら友人たちと比較・競争し、自負心(自己効力感)のみで生きてきたその学生が、いざ東大に入学してみて、自分より頭の良い学生がいっぱいいるのを見て、一様にショックを受けるのです。そして、一番でないと気が済まない自分が、そうでない自分を許せなくなるのです。一種の挫折感です。世間では贅沢な悩みというでしょうが、当の学生にしてみれば、深刻な悩みなのです。これは、評価基準を自分以外のものに求めてひたすら「比較・競争する」ことで自分の存在意義を確かめてきたツケが回ってくるのです。
 ただし、東大生の中には、自尊心の高い人がいることも確かで、そのような学生は、自分が学びたい講座と教授陣がそこにあり、それに魅力を感じたから東大を目指したのであり、その講座が東大になければ他の大学でもよいのです。だから、彼らは、東大に入るために競争を勝ち抜いてきたという気がしないのです。学びたいことがあるから入ったところが東大だったということです。そこには自尊心の高い人の特長である「成長」の論理が働いていて、他者との「比較・競争」は問題にならないのです。
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