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シンクロニシティ(1) [フロー理論]

私たちは、人生のなかで奇妙な偶然の一致を経験している。
・誰かに電話しようと思ったら、その人から電話がかかってきた。
・急いでいるときに駐車場に入ったら、すぐ目の前に駐車していた車が出るところだった。
・欲しい情報を得るために本屋に入って本をめくったところ、そこに必要な情報が載っていた。
・しばらく会っていない友人に会いたいと思っていたら、その人から同窓会の案内がきた。
このようなことは、単なる偶然として済ませることができるが、これを理論的に体系化したのが、深層心理学者のC・G・ユングである。ユングはこのような現象を「シンクロニシティ(共時性)」と定義した。一般的には、シンクロニシティとは「同じ意味をもつ二つあるいはそれ以上の因果的に無関係な出来事の同時生起」と定義している。
私が、フロー理論をまとめてみようと思ったのにも、これと同じような体験があったからだ。しばらくそれを書いてみたいと思う(続く)。


シンクロニシティ(2) [フロー理論]

私は、今年の5月下旬に8日間のフランス旅行をした。そのときの紀行記はこのブログでも書いた。長旅なので2冊の本を持っていくことにしたが、迷うことなく選ぶことができた。その1冊が天外伺朗氏の「運命の法則」だった。
薄い本なので、フランスまでの機内で一挙に読めた。そこに出ていたのが「シンクロニシティ」、「フロー理論」などで、しかも「燃える集団」という言葉まであった。
シンクロニシティとフロー理論については以前から研究していたテーマだったので、天外氏がどのように解説されているか興味があった。そして、「燃える集団」という言葉は私にも経験のあることだった。私がAFLACに転職したのは33年前のことだが、営業部門のスローガンを考えようとして提案したのがこの「燃える集団をつくろう!」だった。そして、2年連続してこのスローガンを掲げた。
読み進んでいくにつれて、「なんということか」という感慨に浸りながら、私は「これがシンクロニシティだ」と思わずにはいられなかった。
そして、帰国してすぐにフロー理論をもとに新しいプログラムを作る準備に入った。そのきっかけをつくられた人がもう一人いた。それはF総研のAコンサルタントだった。(続く)。

シンクロニシティ(3) [フロー理論]

F総研とは昨年からのお付き合いだが、その窓口になっていただいているのがA氏だ。
そして、私の構想をお話したところ、早速「フロー組織研究会」なるものを立ち上げていただくことになった。
そして、今年の8月11日を皮切りに来年の6月まで、隔月で年6回の研修会を開催することになったのだ。
まだプログラム自体が完成していない段階でスタートするのだから不安はあったが、とにかくその船に乗ることにした。船を漕いでいるうちに港(到達点)が見えてくるだろう・・・
そんな気持ちで引き受けてしまったのだ。そして、だんだん港が見えてきたので、その一部をこのブログで紹介しようと思う(続く)。

チクセントミハイ教授 [フロー理論]

シカゴ大学のチクセントミハイ教授は、ロック・クライミング、チェス、バスケットボール、作曲、モダン・ダンスなどの「遊びやゲーム性のある活動」の観察と研究をつうじて、世俗的報酬をほとんど得られない活動に多くのエネルギーを注ぎ込んでいる人は何を求めて活動するのか、という視点からそこに共通点を見出して、「フロー」概念を持ち出した。そして、「全人的に行為に没入している時に人が感ずる包括的感覚」と定義した。
 彼らは、金銭、地位、名誉などの世俗的な報酬を求めてこれらの行動を起こすのではなく、明らかにこれらの活動自体に意味を求めている。彼らはこれらの活動に"楽しさ“という満足要因を見出している。つまり、その楽しさを求めて活動を起こすという内発的な動機がベースとなっている。
すなわち、チクセントミハイは従来の動機付け理論のベースとなっている「欠乏モデル(足りないものを求める)」とは明らかに違った意味を与えているのである。(続く)。

チクセントミハイ教授の前提 [フロー理論]

教授が観察し研究したのは、「遊びやゲーム性のある活動」でした。しかし、これらと「仕事」は違うのではないか、という疑問がでてくる。それに対して、教授は次のように述べている。
「『仕事』と『余暇』との間には、橋渡しのできないギャップなどあり得ないと仮定した。従って、遊びを研究することにより、どうすれば仕事を楽しいものにし得るかを知ることができるように思われる。この二つの活動にまたがる橋が存在することを確かめるために、我々は楽しいと思われる職業にたずさわっている人々を研究対象の中に含めることにした」(「楽しみの社会学」)として、作曲家、外科医、教師などを調査対象に加えた。
そして、何がこれらの余暇活動や職業を楽しいものにしているかを探ることにより、それ以外の生活領域にも広げて、外発的報酬への依存を減らす(内発的動機に依存する度合いを増やす)ことができるのではないかと考えたのである。(続く)

フロー状態 [フロー理論]

フロー理論の基本となる考え方は、人の行動を課題の難易度と本人の能力(状況処理能力)との関係で捉えることによって、次のように分類し、そのなかの一つをフローゾーンに位置づけている。(ゾーンという捉え方をしているわけではないが)
・パニックゾーン: 難易度>状況処理能力 →不安、心配
・無気力ゾーン : 難易度<状況処理能力 →退屈、不安
・フローゾーン : 難易度=状況処理能力 →生き生き、集中
そのうえで、教授は「課題がいつもより少し難しく、いつもより少し余分に能力を発揮できる状況のときがいちばん集中しやすいようだ。課題が簡単すぎると退屈してしまうし、課題が難しすぎると不安になる。フローは、退屈と不安のあいだのデリケートな範囲で起こる」という。(続く)。

フロー人間 [フロー理論]

フローゾーンにいる人は、習熟と課題への挑戦との間をいったりきたりしています。習熟というのは、充分な知識あるいは専門的なスキルを身につけることであり、挑戦は、課題の難度を上げ、現在よりも一段と高いところにチャレンジすることです。したがって、そこには当然のことながら危険が伴う。しかし、一つ上のレベルにいきたければ、危険を避けて通るわけにはいかない。フローゾーンにいる人は、この習熟と挑戦をごく自然に繰り返している。たとえ失敗しても、そこから学び、成長していくことができる。
したがって、フリーゾーンにいることを好む人は、現状よりももっと知識を得たい、腕を磨きたいという学習意欲の高い人のことです。そしてこのような人は、「自己の成長」だけでなく、組織の成長、改革を目指す人だといえます。(続く)。

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