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21世紀を担うリーダー養成講座通信(8) [21世紀を担うリーダー養成講座2011]

「21世紀を担うリーダー養成講座」通信(8)

10月1日(土)は、次のお二人の講義がありました。
・石井 聡氏(産経新聞論説委員)の「国債情勢と民主党政権」
・柳川元信氏(ソフトブリッジソリューションズジャパン会長)の「21世紀はインド経由 世界へ」

1.石井氏の講義要旨:
5年間に6人目の首相になった野田さんは内外で次のようないろいろな難問を抱えているが、一応無難にスタートしたように見える。
・震災復興(増税)  ・原発事故収束
・円高・空洞化対策  ・TPP参加問題
・領土・主権問題
しかもそれをねじれ国会を背景に解決していかなければならないから、簡単にはいかないことは明らかである。
  民主党政権は、期待外れのところがある。マニフェストの見直しを認めて、それをやったうえで選挙に臨む必要がある。今のところ、東日本大震災の復旧・復興をやらなければならないという大義名分のもとに甘えている面がある。
 対外的には、先日のオバマ大統領との会談で、普天間基地問題の進展、牛肉輸入、TPPへの参加などいろいろな注文が出てきた。
このうち、TPPについては十分議論する必要があるときだ。
賛成意見:「日本の農業を守るために工業が被害を受けるのはおかしい。TPPに参加することで日本の成長が期待できる」
反対意見:「TPPに参加することで日本は成長できるのか。特に中国、インドが参加しないアジアの成長を取り込めるとのか」という議論をする必要がある。
尚、講義の後で小沢問題、原発再開などの問題について活発な質疑応答がありました。

2.柳川氏の講義要旨:
インドは中国より10年近代化のスタートが遅れたが、その潜在力は大きく、日本はもっと注目してよい国だ、として次のような数字の上での紹介があった。
(1)人口11億人、28州、15言語
(2)インドとの貿易:日本側から見ると26位、インド側からみると11位(1位は米)。
(3)世界の金持ち(10人)の中にインド人が4人入っている(米は2人)
(4)米国のなかで占めるインド人の割合
科学者:12%、医者:20%、マイクロソフト:34%、NASA:36%
     米国上下院:200人
 インドはアメリカの中に入り込んでいて、ユダヤ人と並んでアメリカを動かしていることを認識する必要がある。
これらの背景にあるのは、インド独特の教育制度がある。
インドの教育制度は日本と大きく変わるところはないが、問題はその内容と時間数だ。
大学を卒業するまでの16年間の日数と授業時間を対比すると以下のように大きな開きがある。
          日数        授業時間     うち大学の時間数
・インド   3,518日    17,654時間   5,136時間
・日本    3,120     11,020      2,250
しかも、インドでは、小学校から英語とコンピュータを徹底的に教えている。

また、インドはイスラム教徒が多く(世界2位)、アラブ圏とも親しい関係にある。日本がアラブ圏と関係をもちたいとき、インドを通じて行うことができる。
インドを知るためには、訪問するだけではダメで、短期間でもよいから滞在することが必要だ。そうすれば、彼らの考え方と生活習慣が分かるようになる。
親日家が多いのも事実だし、日本からもっと近づく努力が必要だ。

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「21世紀を担うリーダー養成講座」通信(9) [21世紀を担うリーダー養成講座2011]

10月15日(土)は、次のお二人の講義がありました。
・C・レイク氏(AFLAC会長、前在日米国商工会議所会長、)の「オバマ政権と日米関係」
・尾崎護氏(矢崎総業顧問、元大蔵省事務次官)の「中国経済と日中関係の行方」

1.C・レイク氏の講義要旨:
グローバリゼーションというのは、世界がフラット化しすごい速さで変化している。企業はどんな立場(外国との取引がなくても)にあってもその影響から逃れることができないのだから受け身ではなく積極的にこの機会を活かすことを考えるべきだ。
プレゼンは次のようにきわめてマクロ的に、体系的にオバマ政権の政策を説明された。
(1)オバマ政権の経済政策前提
(2)オバマ政権の国内経済政策
(3)オバマ政権の対外経済政策
(4)オバマ政権の評価
(5)日米関係と日本の政策
(6)変化への対応が求められる日本企業
そのなかで、日米間には普天間基地の問題を含めいろいろあるが、アメリカは「日本をアジアにおける最も大切なパートナー」として位置付けていることには変わりない。
TPPへの参加については、日本は外圧があるから仕方ないという態度ではなく、独自の判断で決めるべきだ。長い目で見れば、鎖国政策は日本のためにならない。いま日本に求められているのは坂本竜馬のようなリーダーではないか。

2. 尾崎護氏の講義要旨:
尾崎氏は次の順序で話を進められた。
(1)日本人の中国に対する意識
(2)党と内閣(国務院)の関係
(3)中国経済の現状
・まず、「外交に関する世論調査」をもとにして中国に対する親近感の変化を説明された。1978年に締結された「日中平和友好条約」を契機にして「親しみを感じる」割合が78.6%あったものが、天安門事件、靖国神社参拝に対する中国の反応、学生の反日運動などにより低下し、さらに尖閣諸島問題により20.0%まで下がった。逆に「親しみを感じない」の割合が77.6%まで上昇し親近感は悪化している。しかし日中貿易は拡大しており、むずかしい隣人である中国とどう付き合っていくかよく考える必要がある。

・次に、中国の政治体制として、党が内閣の上位にあり、三権分立になっていない体制の中で、違和感のある意思決定がされることがある。来年には党のトップ人事が大幅に変わる予定で、注意深く見守っていく必要がある。

・中国はGDPで日本を追い抜いて第二位に躍進しその後も高成長を続けているが、さすがに少しずつ伸び率は低下している。一方、消費者物価が上昇し、目標の4%をオーバーしてインフレが問題になっている。しかし、金利を上げると外貨が入ってくる(それが更にインフレを助長)ので、人民銀行は預金準備率を引き上げて過剰流動性を抑えている。
そのほか、国内には都市部と農村部の格差や住宅インフレなどの問題を抱えていて党も神経を使っている。
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[21世紀を担うリーダー養成講座」 [21世紀を担うリーダー養成講座2011]

10月29日(土)には、次のお二人の講義がありました。
・粂 博之氏(産経新聞)の「岐路に立つエネルギー政策」
・小長恵一氏(元通産省事務次官)の「中東情勢の激変とわが国の戦略」

1.粂 博之氏の講義要旨:
まず、3月11日の東日本大震災後の原発をめぐる動きについて解説された。
(1)電力需給のバランスが崩れ、今夏の節電要請+使用制限令の動き
(2)定期検査で停止中の原発再稼働の延期
稼働中の原発は54基中10基。来春には0になる可能性がでてきた。
ストレステストを終えて早く再稼働したい電力会社と地元自治体もあるが、世論を押し切ってそれを認める知事はいないのではないか。
(3)電力供給の29%を占めている原発が止まると、供給不足は目に見えており、それに代わるものとして太陽光発電、風力発電などの再生可能エネルギーがあげられている。しかし、ネックとしてコスト高、供給の不安定性があり、そう簡単には代替するまでにはいかない。
(4)いっぽう原発は、二酸化炭素排出削減という命題のもとに推進され、2020年には25%削減するという国際公約のベースになっている。
(5)これらのことを総合的に考えると、最終的にはベストミックスという視点でその割合が決まってくると思われる。
次に、「発送電分離と電力自由化」、および「総括原価方式の見直し」について触れられ、今こそこれらの問題を真剣に議論して結論を出す時期ではないか。
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2.小長恵一氏の講義要旨:
中東には、ほぼ10年おきに大きな変化が起こっている。
前回は湾岸戦争が起こった。今年になってチュニジアに始まり、エジプト、リビアに飛び火した民主化運動は他の国にも広がっている。その背景としては次の6つが考えられる。
(1)長期の強権・独裁政権の下で政治的自由がなかった。
(2)若年層を中心とする失業が一般化した。
(3)生活用品価格が上昇し、日常生活が厳しくなった。
(4)所得格差が拡大し、貧困層が増大した。
(5)権力者層の汚職、腐敗が増加した。
(6)Facebook 等IT革命やアルジャジーラ等の衛星放送の影響
この運動がどこまで広がるかは国によって違っている。そして、これらの動きの中で米国の影響力は確実に低下してきている。
そんななかで、日本は中東戦略を考えるにあたって、次の4つを考慮する必要がある。
(1)日本は武器輸出も武力介入もしたことのない唯一の先進国
(2)日米安保を踏まえながらも、相対的に独自の立ち位置をしめることは可能
(3)経済協力、技術協力の推進
インフラ輸出(特にサウジ)・・・原発、水(淡水化、上下水道)、鉄道など
(4)3.11を踏まえたわが国のエネルギー戦略との関連
中東とは、石油、ガスは依存を小さくしながらも関係を維持していく必要がある。
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21世紀を担うリーダー養成講座(11) [21世紀を担うリーダー養成講座2011]

11月12日(土)には、次のお二人の講義がありました。
・山口俊宗氏(経済人コー円卓会議日本委員会ディレクター)の「企業の社会的責任(C
SR)」
・織田善行氏(塾長)の「リーダー養成講座の総括」

1.山口俊宗氏の講義要旨:
  山口氏は、グローバルな文脈のなかで、企業人としてどう関わっていくかという視点で話を進められた。
  コー円卓会議(CRT)は、1986年に日米欧の通商摩擦問題を解決するために、経済人のトップの人たちがスイスのコーに集い、円卓会議をもったことがきっかけで設立された。
CRTの理念は「自らを正すことを第一とし、『誰が正しいかではなく、何が正しいか』」を追求することとし、Moral Capitalismを提唱している。そして、1994年には日米欧の価値観を反映した「企業の行動指針」(共生、人間の尊厳、ステークホルダーへの責任)を策定、後に経団連企業行動憲章や国連グローバル・コンパクトのモデルになっている。
CSRについてはいろいろな考え方があるが、CRTは「企業の成長と社会の発展のベクトルを合わせる経営」と定義し、具体的には「企業を取り巻くステークホルダーや社会の期待・要請に耳を傾け、長期的な企業価値の向上に繋げていこうとするマネジメント」としている。そして、CSR経営の3つの視点として次の3原則をあげている。
原則1:企業の責任(使命)
原則2:企業の経済的・社会的影響
原則3:企業の行動(信頼)
なお、この運動を社内展開するために、CRTは「自社の視点」と「社会の視点」とを取り入れた「マテリアリティ(重要性)アプローチ」という手法をもっており、その考え方を紹介された。企業の現場でやってみる価値があるように思えた。
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1.織田善行氏(塾長)の講義要旨:
今年は3・11の東日本大震災があって、期間・テーマ・講師の変更等があって皆さんに迷惑をかけたこと。プログラムの3部構成の意味などについて説明があった。そのあとで、各講義への関心度および評価をしてもらい、来年度のプログラム策定に反映するために率直な意見を述べてもらった。
 そのなかで、「リーダーシップとマネジメントの違いを理解できた」という意見及び大願寺での合宿が印象的だったようだ。
そして、次回の27日(日)には、受講生による課題発表と修了式および懇親会の予告をして終了した。


第六期「21世紀を担うリーダー養成講座」最終回 [21世紀を担うリーダー養成講座2011]

11月27日(日)には、第六期「リーダー養成講座」の最終日となりました。
この日は、受講生の研究発表および修了式が行われました。
受講生は6ヶ月間にわたり学習したことを参考にして自分の仕事に関連付けてテーマを選定し、それぞれ30分の発表を行いました。
発表にたいして活発な質疑応答が行われ、最後の盛り上がりとなりました。
その後で修了証書が手渡され、晴れて第六期の終了式を迎えることができました。
懇親会にはOBも参加され、旧交を温める場面が見られました。
今年は、開講前に東日本大震災があり、2ヶ月間の延期というハプニングがありましたが、関係者の皆様のご協力によりなんとか卒業式を迎えることができました。皆様に感謝いたします。
なお、来年度は第七期となり、4月21日―9月29日を予定して計画を進めています。OBを含めて、大勢の参加を期待しております。
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