高橋幸宏「7000人の子の命を救った心臓外科医が教える仕事の流儀」致知出版社 [日記]

この本の内容はすべてこの長いタイトルが説明している。
著者の高橋幸宏氏は、循環器専門病院である榊原記念病院の副院長。小児心臓病外科の分野ではゴッドハンドと言われるほどの名医である。その名医が手術の現場において大事にしてきた仕事の流儀を51項目にまとめたもの。「はじめに」に著者自ら書いているように、「手術の準備やルーティンの重要性、集中力をいかに持続させるか、想定外の事態への対処法、良好なコミュニケーションづくりの核となるもの、働き方改革時代の若手の育て方」などを、机上ではなくできるだけ実体験に基づいて語られている。
注目すべきは、侵襲性の高い患児の心臓病手術において、98.7%という驚異的な成功率を誇る仕事の流儀とは何かを率直に語っておられることである。「手術自体が侵襲である限り、時間短縮は低侵襲化を考える上で最も基本的かつ重要なことである」として、そのことを実現するために、医師としての使命感をベースに、卓越した手技の練磨、そして本当の意味でのチームワークなど、必要な要素を率直に語られている。読んでいて自分も手術室にいるようなリアルな感じがするから不思議だ。
ここで述べられていることは、何も医療現場だけでなく、一般のビジネスの現場にも通用することであり、一般の人にも読んでほしい本である。



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