5.習熟度別クラス編成は学力向上につながるのか?(2) [自尊心]

習熟度別にクラス分けするということは、生徒たちに低・中・高レベルのレッテルを張ることになることは前回指摘した。すると、生徒たちに次のようなことがみられるはずだ(実際にそうなっているかどうかを検証する必要があるが・・・)
① 低のクラスに入ると、生徒たちは自分の能力は低いという自己イメージをもってしまって、それに見合った成績を取るようになる。彼らの口癖は「どうせ自分は・・・」だ。
② 中のクラスに分類された生徒たちは、自分は中の成績が似合っていて、良いときは「まぐれだ」と思って、さらに上を目指そうとは思わない。そして悪いときは「次はもう少し良くなるはずだ」と思うようになる。そして最終的には「中」程度に納まってしまうのだ。
③ 高のクラスに配属された生徒は、自分はもともと頭が良いのだから、良い成績を取らなければならないとして努力して結果を出す生徒がいる一方で、それがプレッシャーになる生徒が出てくる可能性がある。そして問題を解かなければならないときは、良い点を取って「頭が良い」ことを証明する必要があると考えて難しい問題を避けて易しい問題を解こうとする。また、悪い成績を取ったとき、「自分は、本当は能力は高くない」と意識して悩むことになる。
それだけではない。生徒たちに加えて教師までもグループ分けした生徒たちを低・中・高という色眼鏡で見て、それに見合った教育をしようとするのだ。これでは、よい意味でのピグマリオン効果は発揮されないで、全体の底上げは望むべくもないと言わざるをえないだろう。
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