6.習熟度別クラス編成は学力向上につながるのか(3) [自尊心]

前回見てきたように、能力別のクラス分けしたら、目的である全体の底上げをすることが難しくなってくる。何も珍しいことではない。生徒たちは、与えられた自己イメージ通りの成果を出すことになっただけだ。それを避けるためには、「個人の能力は変わりうる(成長できる)」という「成長型マインドセット」の考え方を取り入れて、期間を決めてクラス編成を変える必要があろう。教え方は変えても教える内容に差をつけてはならない。そうしないと、クラス編成は固定されたままになってしまう。それが難しいのなら、初めから混合型のクラスにしてしまうかだ。
ただし、実際の効果を検証するためには、習熟度別授業を行ったクラスと行わないクラスを比較するなど厳密なデータの収集が必要だろう。結論はそれが出てからにしても遅くない。
ただし、海外ではすでに多くの実証研究が報告されていて、「能力別クラス編成は全体の底上げにはつながらない」という結論が多く出ているようだ。形だけ海外の制度を真似ても仕方がないだろう。
もし、習熟度別クラス編成をした結果、全体のレベルアップにつながったという事例があれば教えていただきたい。
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