桜の美学 [季節]

 昨日(4月8日)、近所の桜の名所と言われる公園に行ってきた。まだ8~9分咲きといったところで、多くの家族連れの見物客で賑わっていた。
なぜ日本人はこうも桜を愛でるのだろうか?
美しいからか?確かに美しいに違いないが、うすいピンク色をした花びらはどちらかと言えば単調で、これよりも美しい花は他にもあるだろう。
そこで、桜を題材にした和歌を調べると、数限りなくあるなかで、たとえば、紀友則の「ひさかたの光のどけき春の日にしず心なく花の散るらむ」に代表されるように、満開のときよりは散り際を詠んだものが多いのに気づく。つまり、日本人は、桜が咲いているところよりも散り際の潔さにものの哀れを感じて詠ってきたのだろうと思う。“ぱっと咲いて、ぱっと散る”ところに人生のはかなさを重ね合わせて詠ったのではないか。
良寛はそれを“散る桜 残る桜も 散る桜”と詠んだ。


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