原発と原発事故 [東日本大震災と原発問題]

日本が原子力発電に取り組むようになるまでには、いくつかの段階とハードルがあった(日本経済新聞「日本の電力 民営の成り立ち」橘川武郎)ようだ。
日本でも、発電のエネルギー源として利用されたのは、主に石炭や石油などの化石燃料であったが、石油ショックを契機にして、日本はコスト面と効率面から原子力発電にカジをきることになる。これは先進国共通の傾向のようだ。つまり、「脱石油の切り札」として必要性が高まり、数多くの原発が建設されたのだ。
そこまではよかった。ところが、安全だと言われていた原子力発電に赤信号が点灯し始めたのである。国内では、1974年、日本初の原子力船「むつ」が放射能漏れ事故を起こし、当局が保証していた「絶対安全」が崩れ去った。また海外では、アメリカのスリーマイル島原発で原子力発電史上最初の事故が発生(1979年)し、原子力利用の危険性に対する認識が高まった。
それに輪をかける出来事が起こってしまった。1986年にはソ連のチェルノブイリ原発事故が発生し、原発は高い危険性をはらんでいることを世界に示したのだ(続く)。

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