内発的動機(5)ー他人のため [フロー理論]

その他に、仕事に「他人のため」という視点を持ち込んだらどうなるだろう。社会のため、自分以外の人々のためにも役立っているということである。しかも、やった仕事が他人から感謝されたとしたら、それまでの疲れは吹っ飛んでしまう。「やってよかった」という喜びの感情がわきあがってくることだろう。そうすれば、ますますやる気は出てくるというものだ。ドーパミンも分泌されよう。
もともと仕事には「他人のため」ということが主にならないとうまくいかない。
例えば、セールスの世界では、「売りたい」というのは自分のためである。販売することで自分の収入を増やしたいというのがホンネだ。しかし、それを前面に出して、「私の利益になるためにこれを買ってください」とホンネを言ったら即座にノーと言われるに決まっている。そこには顧客の視点が抜け落ちているからだ。
「顧客の問題に応える」ために何ができるか、を考えてはじめて相手の立場に立ったセールスが成り立つ。それは顧客の問題を解決するというスタンスであり、そうすれば相手も心を開いてその「問題」なるものを語ってくれる。それが解決されれば(セールスが成立することになり)顧客のほうから感謝されるので、セールスは苦にならない。むしろ喜びになる。顧客に喜んでもらえれば、自分も嬉しい(Win-Win)の関係ができあがり、長い付き合いが始まるのである。
 そのほかにも、報酬を伴わないボランティア活動などは、まさに「他人のため」という視点からでたものである。個人の善意が活動のエネルギーになっているのだ。

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