ヤマアラシのジレンマ [現代の若者考]

ドイツの哲学者ショウペンハウェルに「ヤマアラシのジレンマ」という寓話がある。
ある寒い冬の日、あまりに寒いのでヤマアラシはお互いに身を寄せ合って寒さをしのごうとする。
しかし、自分の身体に生えている針で相手の皮膚を刺してしまう。痛いのでヤマアラシは離れることになる。それでも寒いので、また身を寄せ合おうとする。するとまた刺して離れる。
このようなことを繰り返しているうちに、ヤマアラシは傷つかない適度の距離を見つける。
しかし、これは安全な距離であって最適の距離ではない。近づきたいが、これ以上近づくとお互いに相手を傷つけ合うので近づかない。
この寓話は、現代の若者達の立場をよく表現していると思われる。
すなわち、現代の若者達はメールでやりとりする友達はいても、面と向かってぶつかることはしない。それは、できないのではなく、しないのだ。しかも怖くてしないのだ。一人ひとりが自分のテリトリーをもっていて、他人の領域にそれ以上はいらない代わりに、自分の領域にも入ってもらいたくない、そういう付き合い方をしているのだ。皆孤独なのだ(続く)。

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