Win-WinとWin-Loseの違い [フロー理論]

会議の持ち方のケースで、二つの違いをみてみよう。
メンバーが集まって、ある課題について、その対策を考えることになった。

①Win-Lose法では:メンバーはいろいろアイディアを出すが、意見の対立があってなかなかまとまらない。上司 が解決はどうあるべきか決めてしまう。メンバーに対してはその決定に従うよう言い渡す。
このケースだと、意見の対立は依然として残っており、採用されなかったメンバーに不満が残ってしまう。
 また、メンバー間で決める場合は、声が大きい人、よく発言する人に引っ張られて、自分が違った意見をもっていても、発言しないで賛成してしまう、ということがある。これは妥協であって、決して良い決断にはつながらない。
このような場合は、個人の選択のほうが、グループで選択したことよりも良い結論がでるということが起こってきます。これが「烏合の衆」と言われる現象です。
②Win-Win法では: 上司またはそのテーマに関係するふさわしい人がファシリテーターとして、次のような問題解決のプロセス(省略)を踏んで解決を図ろうとする。
この会議では、メンバーはできるだけ沢山の、違った見方をした案を出すことを奨励される。そのなかで、最適な案が採用されることになるので、メンバーも意見があれば、いつでも異論を挟むことができるので、決定には納得できる。したがって、メンバー間には、しこりが残ることはない。また、最初に提案されたものとは違った第三案が採用されることもありうる。
このプロセスとやり方は、どのような問題にも適応できる方法である。

プロジェクトチームの例 [フロー理論]

このような現象は、一般的には、組織内で特定の目的のためにプロジェクトチームを発足させるときに見られるこだ。
プロジェクトチームは、一般的に次のような特徴をもっている。
①チームの目的、目標が明確である。
②メンバーの役割は初期の段階でははっきりしていない。
③メンバーが協力しないと目的の成果がえられない。
④いつまでに成果を出す必要があるか期限が設定されている。
このようなチームは、メンバーを集めたからといってすぐに機能的なチームになるとは限らない。選ばれたメンバーは、最初のうちこそ新鮮な気持ちでチームに臨むが、そのうち、なかなか方針と道筋が決まらないでいると、無秩序といっていいほどの段階を踏むことになる。
その状態を克服して生産的なチームになっていくには、いくつかの段階を踏むことになる。
K・ブランチャードとD・カリューおよびE・P・カリューは、一般的に次のような4つの段階を経て、チームとして成長していく姿を描いている。(続く)。

フロー組織はつくられる [フロー理論]

一方、K・ブランチャードとD・カリューおよびE・P・カリューは、一般的に次のような4つの段階を経て、チームとして成長していく姿を描いている。(「1分間マネジャーのチームワーク」ダイヤモンド社)
 第一段階:目標達成への方向づけができる(オリエンテーション)
 第二段階:不平不満が噴出する(不平不満)
 第三段階:不平不満が解決される(問題解決)
 第四段階:熱気に溢れ成果を生む(生産)
このうち、チームがフロー状態になるのは第四段階だけだ。つまり、チームが生まれたからといって、すぐにフロー状態になることはない。いくつかのステップを経て、フロー状態に達する条件が整うのだ。
ということは、世の中には沢山の組織があるが、フロー状態にあるのはそのうちのわずかな数しかない、ということである。(続く)。


フロー組織の特徴 [フロー理論]

それでは、この第四段階というのは、具体的にはどのような特徴をもっているか。
彼らは次の7つをあげている。
①チーム活動に参加することが非常に楽しく感じられる。
②チーム全体、ないしはそのサブグループと協力し合いながら、あるいはお互いに依存し合いながら仕事を進める。
③チームの力を感じる。
④課題を達成することに強い確信をもっている。
⑤リーダーシップを分担する。
⑥前向きに、課題を達成できると思っている。
⑦つねに、高い業績を維持する。
これらを見ていて気づくことは、①~⑥はプロセスの問題であり、その状態を維持できれば、⑦の結果(つねに高い業績を維持する)が出てくるという点である。
現在の日本では、成果主義の考え方が取り入れられて、プロセスは不問にされることが多いが、フローというプロセスを重視することこそ成果につながるという意味では、成果主義とは正反対の考え方であるといえよう。

フロー組織研究会 [フロー理論]

昨日(2月4日)は、船井総研主催の「フロー組織研究会」に講師として出席してきました。
この研究会は年6回、隔月開催で若手の経営者が参加されています。
昨日はAMMの第二部(組織・集団の中でリーダーシップを発揮する)の講義とディスカションでした。
皆さんが抱えていらっしゃる問題だけに議論は具体的で核心にふれていました。
なかでも、「企業が変る」ことへの取り組みをどのようにして仕掛けていくかについて、皆さん一様に悩みを持っておられるようでした。
そのようなとき、このような異業種の方の集まりでは、安心して自社の問題をさらけ出せる安心感もあるようで、良い試みのような気がしました。
ちなみに、次回は4月の開催で、いよいよ「フロー」をテーマにした内容になっています。

フローを引き寄せる「やる気の心理学」(1) [フロー理論]

誰でも、「遊びや仕事に夢中になっていて、時間のたつのを忘れていた=フロー状態」という経験があるはずだ。人によって違いがあるのは、その頻度だけだ。その頻度の多い人は、フローからはずれてもまたフローにもどるすべ(術)を知っている。できれば自分もそうありたい、とは誰でも思うはずだ。
そのテーマに取り組んで、今年に入って、アドベンチャーコーチング(株)の新しいプログラムとして「フローを引き寄せるやる気の心理学」をつくった。それをまとめる段階で、いろいろな人と出版物に出会って一気にまとめることができた。よく言う「引き寄せの法則」が成り立ったことになる。
そして、フローに関する講演依頼が来るようになり、また、フロー度テストをやって欲しいというところもでてきて、結構話題になってきたといえよう。
そこで、このテキストをベースにして、しばらくの間そのエッセンスを紹介しようと思う。
その一部は、まとめる過程でこのブログでも紹介しているので、重複する部分もあると思うが、一貫したものとして論じてみたい。

フローを引き寄せる「やる気の心理学」(2) [フロー理論]

人はどんなときに自分の能力を発揮していると感じるのだろう?
子どもからは「好きなことに夢中になっているとき」という答えが返ってきます。大人はどうか。
大人は「好きなことに没頭していて、自分の思い通りにことが運ぶとき」と答えます。
スポーツ選手は「雑念が入らず、その競技に没頭していて、身体がスムーズに反応するとき」と答えます。
三者三様に見えますが、実は同じことを言っているということがわかります。キーワードをあげると次のようになります。
・「好きなことをしている」
・「夢中になっている(没頭している)」
・「ものごとが思い通りに運ぶ」
・「雑念がはいらない」
・「身体が自然に反応する」

つまり、「あること(多くの場合好きなこと)に夢中になっていて、自分の望むようなことが自然にできること」ということができます。
そのとき、人の脳の中である変化が起こっています。すなわち、脳は「快」の状態になっているのです。人は快感を覚えると、脳の中ではA10神経といわれるところから神経伝達物質ドーパミンが分泌されます。それによって快感神経のスイッチがオンになり、脳が覚醒し、集中力が高められていく。興味や関心があることに自然と打ち込めるのは、こうした脳内の働きがあるからといわれています。


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