老人の知恵 [日記]

 グリム童話では、神様からもらった後半の40年は、人間にとってありがたくない人生を覚悟しなければならないことを物語っている。150年も前から老人は厄介者扱いされていたのであろうか?
日本には老人の知恵を称える民話が残っている。
長野県を走るJR篠ノ井線に姨捨という駅がある。ここに「おばすて山」という伝説がある。人は60歳になると使い物にならなくなるということで、山に捨てるという風習があった。あるとき息子が60歳になった母親をかくまっていた。殿様があるとき「灰で縄を編んで来い」と百姓たちに言いつける。誰も出来ずに困惑しているときに、母親が息子に、縄を硬く編んで、それを焼いて灰にしてもっていけ、と教えてやる。感心した殿様が「何でも望みのものをかなえてやる、欲しいものを言いなさい」と言うと、息子は「これこれしかじか、家にかくまっていた母親に教えてもらった。ついては親を助けて欲しい」と申し出る。老人の知恵が殿様に認められて、姨捨ての風習も取りやめになる、という物語である。
今風に言えば、発想の転換ということだ。老人問題を考えるときこそ、この発想の転換が必要なのではないか。そうしないと、老人は社会の厄介者として扱われ続けることだろう。

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