リーダー養成講座通信(7) [21世紀を担うリーダー養成講座2010]

7月10―11日に2回目の合宿があり、次のようなスケジュールで研修が進められました。そのうち初日の外部講師の講義要旨を要約します。
10日 10:30-12:00 企業文化とその診断(竹内予侑子)
    13:00-15:00 異文化と企業経営(渥美育子)
    13:15-17:30 格付けと企業診断(三浦后美)
    18:30-21:00 夕食と懇親会
11日  9:00-11:30 効果的なプロジェクト管理(事務局)
    12:30-14:00 「武士道」(新渡戸稲造)を読む(事務局)

(1)竹内予侑子氏(HS-JAPAN代表)の講義要旨:
1)企業文化と業績との間には長期的に見ると密接な関係があり、次の3つのパターンに分類できる。
①建設的企業文化
②受身的・防衛的企業文化
③攻撃的・防衛的企業文化
2)企業文化は要素別にみるとそれぞれ4つの項目を内容としており、以下のようになる。そして、それらを円環図として表示するのが特徴。
①建設的企業文化:達成、自己実現、人間尊重、協調
②受身的・防衛的企業文化:承認、慣習、依存、回避
③攻撃的・防衛的企業文化:対立、権力、競争、完全主義
3)理想とする企業文化と現状の企業文化を知ることによって、理想に近づけるよう実践的なテーマにも応えられる。
4)その後で、一人ひとりで、120問の質問に答えて、自社の企業文化を診断した。
DSC00372.JPG

(2)渥美育子氏(MPF社社長)の講義要旨:
講義は「真のグローバル人材になれば、新しいタイプのリーダーになれる。」という戦略的テーマをもとに、次の順序で進められた。
1)グローバル時代のモデルチェンジ
2)グローバルマインドの設定:世界市場で重要な7つの能力
3)68億人の人々の心の構図を読み解く「文化の世界地図」
4)日本浮上のための戦略

渥美氏はまず、1991年に冷戦体制が終焉し、グローバリゼーションが始まったが、日本はその波に乗れないでいる。
それは、日本(人)がこの流れの大きな変化の意味を理解していないからで、それがないと先に進めない、として、世界市場で重要な7つの能力をあげられた。
①俯瞰視点の獲得
②空間軸(世界空間)と時間軸(5000年)の設定
③メガトレンドの読み取りとビジョンの設定
④マルチカルチュラルレンズを使用
⑤マクローミクロ間の自在な(視点の)旅が可能
⑥スピード感
⑦英語での発信力
そのうえで、世界市場でビジネスを行うには、それぞれの文化圏でのカルチュラル・モチベータとカルチュラル・ディモチベータを知る必要がある、として、世界を4つの文化コードに分類され、その特徴を説明された。
○文化コード
①モラルコード:人間関係中心
②リーガルコード:ルール中心
③レリジャス・コード:神の教え中心
④ミックス・コード:2つのコードが交じり合ったもの
DSC00373.JPG

(3)三浦后美氏(文京学院大学教授)の講義要旨:
講義は「(債券の)格付けとは何か」からはじまり、デフォルトの確率との関係でAAAからC格まで分類されている、として格付けの違いによっておこるデフォルト率を説明された。そしてAAA-BBBまでが投資適格水準、BB-Cまでが投機性水準として受け止められている。このうちC格は一般的にジャンクボンドと呼ばれている。
次いで、「格付け決定における定性分析と定量分析との関係」を説明され、企業の分析・評価には財務リスクだけでなく、事業リスクを見ていく必要があること、そのウェイトはその時々の状況で異なり、総合評価していく。
その後で、世界の格付け機関とその特徴を説明された。
そして、興味あるテーマとしてJALとANAの格付け結果の推移を説明され、JALが2006年の段階ですでに危険信号が発せられていたにも関わらず見逃されてしまった経緯を説明された。
その他では、サブプライムと格付け問題、また債券以外の大学や病院の格付けについて言及された。
DSC00376.JPG

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。