囚人のジレンマ(10) [ゲームの理論]

しかしながら、このような態度からは思いやりのある人間関係も、こころ豊かな社会も生まれてこないことは明らかです。「他人に迷惑をかけなければそれでよい」という消極的な生き方からは、何も生まれてきません。他人とは距離をおいて生きるという無縁社会への移行が叫ばれるなかで、どんどん絆が失われていくことになります。私たちは子どもに対してもっと積極的に「世の中のためになる人間になりなさい」と言い聞かせる必要があるのではないでしょうか。
 それは同時に、私たち自身に向けて発せられるべき言葉だと言えます。私たちが消極的な生き方をしているかぎり、子供はそれを見習います。子どもというのは、「親が言うようにはしないが、親がするようにはする」ものです。
そして一度は親の生き方に疑問をもって反抗することはあっても、結局は親と同じ無難な道を歩もうとします。
これは世代論のテーマになるものです。すなわち革新的な心をもった青年達が年を重ねるにつれて保守的になっていくというものです。

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