大人になれない子どもたち(6) [現代の若者考]

これまで見てきたように、今の子は、小さいときから大人に囲まれて育ち、何から何まで親(母親)の目が行き届いている。そのため、子どもがほしいと思っていることも、親はそれを察して与える。
何か危険なことがありそうだと、親が先回りして行動を回避させてくれる。
自分で意思決定しなくても、親が自分に代わって決めてくれる。
このような環境の中で育つと、子どもは、自分にとって快適な環境を「家庭」に求めてしまう。親から自立することも、家から独立することも考えない。それは面倒なことだと考えてしまう。こつこつ勉強することも面倒。それより自分の好きなことをやっているほうが気楽だ。働くことも面倒になる。「気楽に好きなときに働けばよいことはないかな」という論理だ。
一方、親のほうもそれを許してしまう。
これが、いま日本で問題視されている若者の現象だ。これを病理と見るか、一般的な現象と見るかによって処方箋が違ってくる。


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