おくりびと [日記]

遅ればせながら、映画「おくりびと」を見た。
物語は、所属するオーケストラが不況で解散し、職を失ったチェロ奏者の大悟が、妻を連れて故郷の山形に帰ってくるところから始まる。早速「旅のお手伝い」というNKエージェントの求人広告を見つけて旅行代理店だと思って面接にでかけ、その場で採用になるが、社長から「旅立ちのお手伝い」の誤植だと告げられる。「向かなければ辞めればよい」と思って働き始めるが、妻にも本当のことを告げられない。(途中でバレて妻は「みっともない」と言って実家に帰ってしまう。その後帰ってくる。)
納棺師という特殊な仕事に戸惑いながらも次第に大きな意義を見出していく姿と、それを取り巻くさまざまな人間ドラマがユーモアを交えながら展開されていく。そして最後に、自分が小さいときに母と自分を捨てて出て行った父親の弔電が舞いこんで、迷いながらも現地に出かけて行って自分の手で死出の化粧を施し、納棺するところで終わる。
この映画がアカデミー賞外国語作品賞を受賞したのは、「人間の死」という重いテーマを扱いながら、そこに展開される人間ドラマが愛情とユーモアをもって展開されているのを、アメリカの審査員も理解してくれたのではないかと思う。そして、なんといっても、映像の美しさと音楽がすばらしく調和していて、見ていて爽快感があった。
ただし、来世(つまり宗教)について語られていたら、もっとよかったのかも知れない。

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