禁煙の効果 [タバコと健康]
禁煙と医療費、余命に与える効果
それでは、禁煙による生涯の医療費と余命に与える影響はどうなのか?
これも厚生労働省の調査だが、「20歳から毎日1箱(20本)喫煙している人が、ある年齢から禁煙した場合、がんや脳卒中、心筋梗塞など、タバコで発症するリスクが高くなる病気の生涯治療費と余命がどう変わるか」を予測している。
それによると、30歳で禁煙すると、「寿命の延び」と「医療費の節約」は、男性で2.3年、154万円、女性では1.8年、129万円となっている。
禁煙する年齢が60歳ぐらいまでは、効果は徐々に下がってくるが、70歳ぐらいになると、大きく下がってくる、と予測している。
いずれにしても、健康面からも、経済的にもタバコは止めたほうがよい、という結論に達することになる。(続く)。
それでは、禁煙による生涯の医療費と余命に与える影響はどうなのか?
これも厚生労働省の調査だが、「20歳から毎日1箱(20本)喫煙している人が、ある年齢から禁煙した場合、がんや脳卒中、心筋梗塞など、タバコで発症するリスクが高くなる病気の生涯治療費と余命がどう変わるか」を予測している。
それによると、30歳で禁煙すると、「寿命の延び」と「医療費の節約」は、男性で2.3年、154万円、女性では1.8年、129万円となっている。
禁煙する年齢が60歳ぐらいまでは、効果は徐々に下がってくるが、70歳ぐらいになると、大きく下がってくる、と予測している。
いずれにしても、健康面からも、経済的にもタバコは止めたほうがよい、という結論に達することになる。(続く)。
喫煙の功罪 [タバコと健康]
喫煙のメリット・デメリット
これほどまでにタバコの害が喧伝される中で、なお吸い続けるタバコの魅力とは何でしょうか?つまり、「わかっちゃいるけどやめられない心理」について見ていこうと思います。
ダイエットのところで試みたように、喫煙ということを、吸い続けるメリットとデメリットおよび禁煙するメリットとデメリットという4つの視点で整理することが出来ます。
これらは、次のようなマトリックス図にまとめられます。
次回には、一つずつ見ていきたいと思います。
メリット デメリット
----------------------------------------------------------------
禁煙する A B
----------------------------------------------------------------
吸い続ける C D
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これほどまでにタバコの害が喧伝される中で、なお吸い続けるタバコの魅力とは何でしょうか?つまり、「わかっちゃいるけどやめられない心理」について見ていこうと思います。
ダイエットのところで試みたように、喫煙ということを、吸い続けるメリットとデメリットおよび禁煙するメリットとデメリットという4つの視点で整理することが出来ます。
これらは、次のようなマトリックス図にまとめられます。
次回には、一つずつ見ていきたいと思います。
メリット デメリット
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禁煙する A B
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吸い続ける C D
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喫煙の心理 [タバコと健康]
しばらく「喫煙」についての記事を中断していたので、再開したい。
これまで、「喫煙と健康」についてみてきた。喫煙すれば、健康に害を与えることは実証済みといってよい。
タバコの外箱を見ると、表裏に次のような言葉が印刷されている。
・「喫煙はあなたにとって心筋梗塞の危険性を高めます。疫学的な推計によると、喫煙者は心筋梗塞により死亡する危険性が、非喫煙者に比べて約1.7倍高くなります。」
・たばこの煙は、あなたの周りの人、特に乳幼児、子供、お年寄りなどの健康に悪影響を及ぼします。喫煙の際には、周りの人の迷惑にならないように注意しましょう。」
これだけはっきりとタバコの害を認めているのです。
それならば、販売を中止すればよいわけですが、それもままならないとすれば何がそうさせているのか。考えてみる必要があります。
一つは経済・財政の問題として、もう一つは消費者の嗜好スタイルとして。
このうち、ここでは心理学の立場から、喫煙者の嗜好習慣を問題にしてみたい。すなわち「わかっちゃいるけど止められない心理」を取り上げてみたい。(続く)
これまで、「喫煙と健康」についてみてきた。喫煙すれば、健康に害を与えることは実証済みといってよい。
タバコの外箱を見ると、表裏に次のような言葉が印刷されている。
・「喫煙はあなたにとって心筋梗塞の危険性を高めます。疫学的な推計によると、喫煙者は心筋梗塞により死亡する危険性が、非喫煙者に比べて約1.7倍高くなります。」
・たばこの煙は、あなたの周りの人、特に乳幼児、子供、お年寄りなどの健康に悪影響を及ぼします。喫煙の際には、周りの人の迷惑にならないように注意しましょう。」
これだけはっきりとタバコの害を認めているのです。
それならば、販売を中止すればよいわけですが、それもままならないとすれば何がそうさせているのか。考えてみる必要があります。
一つは経済・財政の問題として、もう一つは消費者の嗜好スタイルとして。
このうち、ここでは心理学の立場から、喫煙者の嗜好習慣を問題にしてみたい。すなわち「わかっちゃいるけど止められない心理」を取り上げてみたい。(続く)
喫煙の心理(2) [タバコと健康]
タバコを吸う人は「タバコを吸えば健康に悪い」ということを知識の上では理解している。しかしそれを止められない。このことをどう理解すればよいのだろう?
前に書いたマトリックス図をもう一度思い出して欲しい。
A.止めた場合のデメリット :
・気分がいらいらする。
・ふるえがくる。
・口が寂しい。
・手持ち無沙汰。
・吸った時の爽快感がなくなる。
B.止めた場合のメリット :
・健康に良い。
・毎日の生活が爽快。
・ タバコ代を節約できる。
・ 周囲の人から歓迎される。
C.止めない場合のデメリット:
・健康に悪い(いろいろな成人病に罹る可能性がある)
・タバコ代がかかる。
・周囲の人に嫌がられる。
・喫煙できる場所が減る(禁煙運動が広がる)
D.止めない場合のメリット :
・タバコを吸った時の爽快感(小さなフロー状態)。
・タバコを吸う人同士の情報交換。
・気分転換ができる。(いらいらした時の一服でストレスの解消)
このように整理すると、[B+C]と[A+D]の関係はどのように見ればよいのだろうか?タバコを吸い続ける人と禁煙する人では、解釈(理解の仕方)に違いがあるのだろうか?(続く)
前に書いたマトリックス図をもう一度思い出して欲しい。
A.止めた場合のデメリット :
・気分がいらいらする。
・ふるえがくる。
・口が寂しい。
・手持ち無沙汰。
・吸った時の爽快感がなくなる。
B.止めた場合のメリット :
・健康に良い。
・毎日の生活が爽快。
・ タバコ代を節約できる。
・ 周囲の人から歓迎される。
C.止めない場合のデメリット:
・健康に悪い(いろいろな成人病に罹る可能性がある)
・タバコ代がかかる。
・周囲の人に嫌がられる。
・喫煙できる場所が減る(禁煙運動が広がる)
D.止めない場合のメリット :
・タバコを吸った時の爽快感(小さなフロー状態)。
・タバコを吸う人同士の情報交換。
・気分転換ができる。(いらいらした時の一服でストレスの解消)
このように整理すると、[B+C]と[A+D]の関係はどのように見ればよいのだろうか?タバコを吸い続ける人と禁煙する人では、解釈(理解の仕方)に違いがあるのだろうか?(続く)
喫煙の心理(3) [タバコと健康]
マトリクス図のうち、B+Cというのは、吸い続けることのデメリットと禁煙することのメリットです。この値が大きい人は、禁煙する意思があるということができます。
一方、A+Dというのは、吸い付けることのメリットと禁煙することのデメリットですから、この値が大きい人は、禁煙する意思はない人ということができます。
これらのうち、B+CとA+Dの比較から、どちらの値が大きいかによって、禁煙の意思があるかどうかを判定できます。
すなわち、B+C>A+Dという不等式が成り立つときだけ禁煙しようという行動が起こるのです。一方、B+C<A+Dのときは、禁煙行動が起こることなく吸い続けることになるのです。何故このようなこと(後者)が起こるのか、次回に考えてみたいと思います(続く)。
一方、A+Dというのは、吸い付けることのメリットと禁煙することのデメリットですから、この値が大きい人は、禁煙する意思はない人ということができます。
これらのうち、B+CとA+Dの比較から、どちらの値が大きいかによって、禁煙の意思があるかどうかを判定できます。
すなわち、B+C>A+Dという不等式が成り立つときだけ禁煙しようという行動が起こるのです。一方、B+C<A+Dのときは、禁煙行動が起こることなく吸い続けることになるのです。何故このようなこと(後者)が起こるのか、次回に考えてみたいと思います(続く)。
喫煙の心理(4) [タバコと健康]
禁煙しない人は、何故止められないのか?しかも、タバコを吸い続ければ、将来健康を害する可能性が高い、ということを理解したうえで吸い続けるのですから、そこには特殊な「心理」があるにちがいない。
これを「認知的不協和」という理論で説明したのがレオン・フェスティンガーです。
認知的不協和というのは、人が矛盾するあるいは対立する意見や信念、態度などを同時にかかえるときに生じる不快な心理状態をいいます。そのようなとき人は、不協和を解消しようとして、2つの認知のうちどちらか一方を変え、他の認知との間に生じている不協和を解消、またはできるだけ小さくしようとする、というものです。
喫煙に適用すると次のようになります。
喫煙する人は、喫煙が身体に悪いということは知っている。禁煙できれば不協和はおきないが、タバコを止められないために不協和が発生する。この不協和をもち続けることは難しいので、この不協和を低減しようとする。その結果、「タバコを吸うことでストレス解消になっている」「タバコを吸わなくてもガンに罹っている人がいる」「タバコを吸ったからといってガンに罹るとは限らない」などという認知(言い訳)をもつことにより、自分の行動(喫煙)を正当化しようとします。(続く)。
これを「認知的不協和」という理論で説明したのがレオン・フェスティンガーです。
認知的不協和というのは、人が矛盾するあるいは対立する意見や信念、態度などを同時にかかえるときに生じる不快な心理状態をいいます。そのようなとき人は、不協和を解消しようとして、2つの認知のうちどちらか一方を変え、他の認知との間に生じている不協和を解消、またはできるだけ小さくしようとする、というものです。
喫煙に適用すると次のようになります。
喫煙する人は、喫煙が身体に悪いということは知っている。禁煙できれば不協和はおきないが、タバコを止められないために不協和が発生する。この不協和をもち続けることは難しいので、この不協和を低減しようとする。その結果、「タバコを吸うことでストレス解消になっている」「タバコを吸わなくてもガンに罹っている人がいる」「タバコを吸ったからといってガンに罹るとは限らない」などという認知(言い訳)をもつことにより、自分の行動(喫煙)を正当化しようとします。(続く)。
喫煙の心理(5) [タバコと健康]
喫煙という点では、いろいろなタイプの人が考えられる。
①一度も吸ったことがない。
②喫煙の経験はあるが、今は禁煙している。
③喫煙していて、禁煙を試みたが、止められなかった。
④吸い始めて以来、禁煙しようと思ったことはない。
残念ながら正確な統計はない。
このうち、④が一番タバコのとりこになっている人だ。このような人は、将来の満足や、危険よりも現在の満足を優先する心理がはたらいている、といえます。しかし、そのような人にも、タバコの害の情報は十分に伝わっているはずです。
そのような人の心理は、「認知的不協和」の理論で説明できます。
しかし、理論だけでは説明のつかないことが起こることも考えられます。
これがすなわち、ニコチンによる依存症という現象です。
依存症というのは、繰り返し刺激を追求すると、刺激の効果が薄れてくることです。そのためさらに刺激を求めようとします。一方、その刺激から遠ざかると、不安やイライラを感じて刺激を求めるようになる。続けても止めても刺激を求める・・・これこそが依存症の怖いところです。(続く)。
①一度も吸ったことがない。
②喫煙の経験はあるが、今は禁煙している。
③喫煙していて、禁煙を試みたが、止められなかった。
④吸い始めて以来、禁煙しようと思ったことはない。
残念ながら正確な統計はない。
このうち、④が一番タバコのとりこになっている人だ。このような人は、将来の満足や、危険よりも現在の満足を優先する心理がはたらいている、といえます。しかし、そのような人にも、タバコの害の情報は十分に伝わっているはずです。
そのような人の心理は、「認知的不協和」の理論で説明できます。
しかし、理論だけでは説明のつかないことが起こることも考えられます。
これがすなわち、ニコチンによる依存症という現象です。
依存症というのは、繰り返し刺激を追求すると、刺激の効果が薄れてくることです。そのためさらに刺激を求めようとします。一方、その刺激から遠ざかると、不安やイライラを感じて刺激を求めるようになる。続けても止めても刺激を求める・・・これこそが依存症の怖いところです。(続く)。