感染拡大

緊急事態宣言が解除されて大阪等首都圏以外では2週間、東京など1都3県では1週間経った。ところが、コロナ感染状況は収束どころか、リバウンドが確実な状況になってきた。特に先行解除された関西圏の感染拡大が顕著で、解除の判断の甘さがあったと思わざるを得ない。それ以外でも、宮城、山形などにおいても地域単位のGo To Eatキャンペーンを始めて、感染拡大に火をつけてしまったようだ。明らかに判断ミスだったと言われても仕方あるまい。
しかも、変異種の比率が高くなって、収束どころか急拡大が見込まれるだけに、また「緊急事態宣言！」ということにならなければよいのにと思いたい。

今年の卒業式

先週末で卒業式のシーズンは終わったようだ。服装ですぐにそれとわかるが、さすがに今週になってその服装を見ることはなくなった。
一つの区切りとはいえ、卒業生たちは後から振り返ってみて、自分の学生時代は何だったのだろうと思うに違いない。知識を得るためだけなら何も学校に行かなくてもできる。学校に行くのは、独学では難しい専門知識を学び、友人をつくっていろいろ議論し、夢を語り合って自分を発見する場所のはずだ。彼らはその大事な機会を失ってしまったといえよう。
今年の卒業生は、少なくとも昨年1年間は対面授業に出ることもできず、友達同士の付き合いも難しかったのではないか。しかも卒業式までオンライン型に切り替っていて、卒業生が一堂に会して最後の別れをする機会がなかったのではないか。つまり、彼らは最後まで時間を共有する機会を持てないまま卒業することになったのだ。これだけでサヨナラはいかにも寂しい。

　

散る桜

桜の開花期間は短い。よく観察すると、満開になるまでは雨が降っても風が吹いても花が散ることはないが、いったん満開になると、雨や風で散っていくことがわかる。桜は、開花から満開になるのが早いから散るのも早いということだ。だからこそ人は桜花に愛着をもつのだろう。これが年中咲いていたら、これほどまでに興味をもたれることは少ないのではないか。この短い花の命を惜しむかのように人はこの花を愛で、多くの人が名句を詠んでいる。
・散るさくら　残るさくらも　散るさくら（良寛）
・桜花　何が不足で　ちりいそぐ（一茶）
・ちるさくら　落るは花の　ゆふべかな（蕪村）

聖火リレーがスタート

東京五輪の聖火リレーが25日に始まった。「復興五輪」を掲げる大会のリレー出発点は福島県のＪ・ヴィレッジ。無観客で出発式が行われ、ここを始点に約１万人の走者が121日かけて全国859市区町村を巡ることになる。
１年前にギリシャで採火された聖火がやっと日本で日の目を見ることになった。しかし、コロナ禍への不安を抱えているだけに、沿道の観客には「密集」を避けるよう呼びかけられている。
日本にはまだオリンピック開催について不安視する向きがあるが、開催するからには、「希望の光」を照らす祭典であってほしい。

ユキヤナギ（雪柳）

このごろ街を歩いていると、多くの原色の花が咲いていて、春たけなわの息吹を感じさせてくれている。そのなかで、今を盛りに咲いているのがユキヤナギ（雪柳）だ。垂れた枝先の長い穂に、たくさんの白い花をつけている。ちょうど葉が柳に似ていて、白い多数の花が雪をかぶっているように見えるところから、ユキヤナギ（雪柳）という名前が付けられたと聞いている。
・風の意の　気ままと見たり雪柳（宮崎正）
・雪柳　ひとかたまりの情かな（山口青邨）
・雪柳　ひとつひとつが耳飾り（桑原敏枝）

木蓮（モクレン）とコブシ

近所にモクレンとコブシを植えているお家がある。最初のころはどちらもモクレンだと思っていたが、白色の花を咲かせているのは、花びらの枚数が６枚のところを見ると、どうやらコブシのようだ（モクレンは9枚？）。しかもほぼ同じ時期に咲くものだから、私のような素人には見分けがつけにくい花だ。どちらの花も今を盛りに咲いている。
・木蓮の一枝を折りぬ　あとは散るとも（橋本多佳子）
・木蓮のみえて　隣のとほきかな（久保田万太郎）

事務所近辺の満開の桜並木

現在の事務所（茅場町）に引っ越して3回目の春を迎えることになった。そして今がほぼ満開となり、道行く人たちは一度立ち止まって写真を撮ったり、眺めたりして過ごしている。
桜の名所に行くと人だかりで3密状態になるが、事務所街にはそのような人だかりは見られない。ゆっくりと花見を楽しむことができる。
・さまざまの　こと思ひ出す　桜かな（松尾芭蕉）
・花の雲　鐘は上野か　浅草か（松尾芭蕉）
・夜桜や　人静まりて　雨の音（正岡子規）