政治の役割(3) [政治と経済]

最悪なことは、政府や与党がバラ色の将来像を描いてそこに至るプロセスを示さないことだ。そして、ビジョンを示さないで反対だけするという野党の立場だ。そこにはビジョンもプロセスもない。つまり、進むべき方向性もどうやってそこに至るかという道筋も示さない政治だ。
国民はそんな政治にうんざりしている。
国民が望んでいるのはノブリス・オブリージュ(高貴な人の義務)だ。
ビジョンとプロセスの両方を提示して、そのどれを選ぶかを提示するためには判断力と責任が伴う。今のような無責任な態度は許されなくなる。
今の政党も政治家もそれをやっていない。特に国民に負担増が必要だと言える政治家が少ない。消費税の増税を先送りして債務残高を膨らませてきたのはその象徴的なできごとである。これではマックス・ウェーバーのいう「職業としての政治」など望むべくもない。
今の政治家はこれらの問題に答えようとしていない。「たてまえ」と「ほんね」を使い分けて、選挙民の前では常に「たてまえ」で発言し、「ほんね」を隠してしまう。
そのため、重要なことは先送りされ、国民は政治不信に陥り、政治家を信用しなくなるという悪魔のサイクルが続くことになる。


コメント(0) 

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。