政治の役割(1) [政治と経済]

政権交代があって、円安ー株高など期待先行の形で物事が動いている。このような現象が、実際の政策の裏付けがなされなかったときどうなるか、その反動が心配である。
政治の役割は、概念的に言えば、「国家および国民生活の将来像(グランド・デザイン)を描いて、現状との間に橋渡しをすること」である。つまり、ビジョンとプロセスを明らかにし、それを実現することである。
ところが、日本では、戦後なまじっか成長を続けてきたということもあり、先進国に追いつけ追い越せという掛け声だけで、国民も満足してきた。
成長期の特徴は、「将来は現状よりも良くなっていく」ということであり、国民に将来像を示さなくても良かったのだ。ところが、世界第2の経済大国になり、目指すべきモデルがなくなった時にバブルがはじけてしまった。
その後の日本は大きな代償を払ってきた。バブルの原因の追究も、それへの適切な対応も不十分で、バブル崩壊のマイナス面だけが突出してしまった。
そして、日本は下降期へ移行するにあたってハードランディングを余儀なくされた。当初は「失われた10年」と言われていたものが、今では「失われた20年」と言われるように、デフレのスパイラル現象が起こって、企業も国民も自信を喪失してしまった。

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