老人力

　あるとき、数人の小学生たちに「老人」のイメージについて聞いたことがある。そのとき出てきた言葉に次のようなものがあった。
・白髪
・ハゲ
・入れ歯
・杖
・ぼけ
・もの忘れ
・よぼよぼ
・よたよた歩き
・老人席（シルバーシートのこと）
いずれもマイナスのイメージのものばかりで、これらの言葉をつなぎ合わせれば、現在の老人像が浮かび上がってくる。厄介視されて肩身の狭い思いをするのが老人のようだ。
これらの項目のいくつかに該当し、そうか自分も老人なのかと思い知らされたことを覚えている。
このようなマイナスのイメージを払拭し、もっとプラスのイメージで老人問題を考えようとして、かつて赤瀬川氏が「老人力」なる言葉を提唱されたが、あまり見向きもされないようだ。もっと若い世代がこの問題を論じるようになってはじめて老人力なる言葉も生きてくるのだと思う。