「21世紀を担うリーダー養成講座」通信(5) [21世紀を担うリーダー養成講座2011]

8月20日(土)は、次のお二人の講義がありました。
・竹内予佑子氏(HS-Japan代表)の「グローバル人材の診断とコーチング」
・三浦后美氏(文京学院大学教授)の「コンプライアンスと東京電力問題」

(1)竹内予侑子氏の講義要旨

世界経済はグローバル化し、日本もその波に巻き込まれている。そして、日本企業も世界で通用する人材の育成が喫緊の課題になってきた。HS社は、40年間にわたって企業文化、リーダーシップ、人材の診断ツールの開発にあたってきており、現在では全世界で採用されるようになったとの前置きのもとに、まず各自の所属する企業の「組織文化」を診断することになった。
 その後で内容の説明があり、「組織(企業)文化」とは、「社員に共有された信念や価値観であり、社員の行動スタイルを方向づけるもの」で、社員の行動の仕方、いわば仕事のやり方に影響を与えるものである、として診断結果を12の基準で構成する円環図として表示することになった。そして、それぞれ4つの基準を内容として次の3つのパターンに分類できる。
①建設的企業文化:達成、自己実現、人間尊重、協調
②受身的・防衛的文化:承認、慣習、依存、回避
③攻撃的・防衛的文化:対立、権力、競争、完全主義
この基準で自社の「現状」と「理想」の結果とギャップを知ることができれば、理想に向けての実践ができる。それができるのはリーダーであり、リーダーが建設的に変わることによって業績をあげていった例が紹介された。

(2)三浦后美氏の講義要旨

コンプライアンスは「法令遵守」と言われているが、法律を守るだけでは足りない、として4つのレベルが必要だとして説明された。
レベルⅠ:法令等を遵守した行動
レベルⅡ:社内規則及びマニュアル等を遵守した行動
レベルⅢ:倫理や社会規範等に即した行動
レベルⅣ:(企業)グループミッション等に適した行動
そのうえで、原発事故を起こした東京電力の問題に移り、同社の公開資料(「東京電力の経営とCSRの実践」)をもとにして同社の問題点を指摘された。
同社の問題は、国の政策も複雑に絡んでおり、「時間をかけてコンプライアンスに関わる形(仕組み)を創ってきたが、魂が入っていなかった」ためにコーポレートガバナンスが必ずしも機能してこなかった。危機管理は危機が起こってみて初めて機能するかどうかが問われる部分もあるが、原発事故以後の同社の対応を見ていると、不十分であったことは否定できない。
なお、講義の後半では、出席されていた原電事業の徳永氏の意見も聞きながら楽しい講義となりました。
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