村上春樹氏の反原発スピーチ [東日本大震災と原発問題]

スペインのカタルーニャ国際賞授賞式(6月9日)での受賞スピーチで、村上氏は東日本大震災と東電福島原発事故にふれ、「原爆の惨禍を経験した日本人は、核に対して『ノー』を叫び続けるべきだった」と発言され反響を呼んでいる。
この点については賛否両論があり、日本でも被災者および市民運動家らが原発の危険性を取り上げて、反対運動を起こしている。
そもそも原発は、最近の傾向として、地球温暖化の切札のように論じられてきており、世界が原発推進の方向に向かっていた。ところが、今回の原発事故を契機にしてその流れが変わってきたように思われる。ドイツ政府は原発廃止を決定し、時間をかけて全廃する方向に動いているし、それに追随する国が出てきそうな情勢である。
日本人は、「危険だ」「便利だ」という二つの名目で「原子力」の問題に取り組んできたように思えるが、これからはそれを両立させていくことが難しくなるような気がする。少しこの問題を考えてみたい。(続く)。