スイス紀行(3) [スイス旅行(2010)]

6月19日(土)。
鳥のさえずりで目を覚ましカーテンを開けると、すぐ目の前にアイガーが迫ってくる。雲がかかっていて山頂は見えないが、急斜面の山肌に雪が残っている。今日はユングフラウ観光の日。
8:17に登山電車に乗る頃にはあいにく雨になってきた。
電車はいったんグルンデルまで下がっていって、いよいよ急斜面をゆっくりと登っていく。途中放牧された牛や羊の群れに出会ったり、忘れな草やアルペンローズなどの高山植物が目を楽しませてくれる。ただし、エーデルワイスを見ることはなかった。
クライネシャイデック駅(海抜2320m)で電車を乗り換える頃になると、みぞれが降り始める。いよいよ16年かけてアイガーの山腹をくり抜いたトンネルを通ってユングフラウ・ヨッホ駅(海抜3454m)に到着。心なしか空気がうすく呼吸が困難。気温はマイナス5.7℃で、寒い。その足でスフィンクス展望台(3571m)へエレベータで直行するも、外は吹雪になっていて視界不良。そこから見えるはずのアイガー、メンヒ、ユングフラウなどの連峰やアレッチ氷河(世界遺産)は全く見えず。残念の一言。
その後で氷河をくり抜いてつくった氷の宮殿に立ち寄り、氷のトンネルと彫刻を楽しむ。
身体が冷え切ったところで展望台に戻りホットチョコレートを飲み、生き返った思い。
下りは11:30発。登ってきた道を下りていくが、乗換地のクライネシャイデック駅からのトレッキングが中止になる。駅の近くに新田次郎の墓標があると聞いて、連れて行ってもらう。そこには「アルプスを愛した日本の作家がここに眠る」と刻まれていて在りし日の作家をしのぶことができた。この駅で電車を乗り換えて山を下りていった。
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