21世紀を担うリーダー養成講座通信(5) [21世紀を担うリーダー養成講座2010]

6月12日(土)は、次のお二人の講義がありました。
・龍村仁氏(映画監督)の「地球と命」
・大竹美喜氏(AFLAC創業者・最高顧問)の「AFLACの創業と経営」
 
(1)龍村仁氏の講義要旨

イギリスの生物・物理学者ジェームス・ラブロックが唱えるガイア理論―地球はそれ自体がひとつの生命体である―にもとづいて、龍村監督が心血を注いで制作してこられた「地球交響曲(ガイアシンホニー)」の考え方について事例を交えながら披露された。
1992年の交響曲第一番から2006年の第六番まで、自主上映だけで約230万人が動員された。今年に入って、第七番が完成しいよいよ上映が始まった。
「出演者はいずれも、現代人の常識からすれば“奇跡”を起こした“超能力者”にみえる。しかし、決してそうではない」と龍村氏は言う。
彼らはただ、自分の身体との対話をつうじて、自分の命が、他のすべての自然(命)とつながっていることを思い出しただけなのだ。
だから彼らはトマトや象や波や地球と“話”ができる。一方現代人はこのつながりの感覚を忘れてしまった。その結果、トマトや象と話す言葉を失い、他者との連帯感を失い、そして自然や地球そのものと対話できなくなっている。
なお、今回制作された第七番は「全ての生命が潔く健やかに生き続けるために」という「自然治癒力」をテーマにしており、次の3人と日本人の原風景である「日本神道の美とその背後にある自然観に触れることによって、私たちの魂の内に眠っている“生かされている”という体感が甦ることを願っています」という監督からのメッセージが全てを語っているように思われる。
・アンドルー・ワイル(統合医療医学博士):自発的治癒力
・グレッグ・レモン(ツール・ド・フランス覇者):自転車的未来へ
・高野孝子(環境教育活動家):昔の叡智は未来の科学
なお、この七番は7月17日~8月27日間に東京都写真美術館ホールで公開(自主上映)されています。是非足を運んで龍村監督のメッセージを感じてください。
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(2)大竹美喜氏の講義要旨:
まず、今回の菅政権の交代について、施政方針で打ち出された「強い経済、強い財政、強い社会保障を実現して最小不幸社会をつくる」というのは矛盾している、として私見を述べられた。
そのうえで、情報が氾濫している中で、何が本質で真実かということを見極める心眼をもつことが必要だと結ばれた。
その後で本題のテーマにもどって、大竹氏の考える経営観について資料をもとに説明された。
そのなかで特に強調されたのは、経営哲学についてであった。
つまり、経営には哲学、志というものが必要だということです。ロジック(頭脳)だけでは人はついていかない。管理することはできても人を導いていけない人をたくさん見てきた。経営には人格(人間性)が必要だ。
自分も35歳でAFLACを創業したが、若年であったので3人の人に仕えて副社長として帝王学を学ばせていただいた。勿論良いことばかりではないが、そのときの原体験がベースとなって私の経営哲学というものが出来上がっていった。そして、実践を通じて今でも洗練させている、として次の4つをあげられた。
①卓越した何かをもつ。
②噂に惑わされず、事実のみを信じる。真実を見極める目が必要。
③失敗から学ぶ―失敗を恐れない。
④人を選ぶ―企業は人なり。
なお、日本は現在グローバリゼーションという第三の開国を迫られており、その中で生き残るためには管理型社会から脱却して自律型社会にならなければならない。そのために「リーダーはビジョンを語り、リスクの請負人にならなければならない」としてケネディ大統領の言葉を引用して講義を終えられました。
講義の後で活発な質疑応答が行われ、質問時間(1時間)があっという間に終わりました。
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