囚人のジレンマ(7) [ゲームの理論]

しかし、それができる人は非常に少ないのだと思います。ほとんどの人は、自分がしている分だけ、他人にもして欲しい。つまり、自分の行為に対して同じだけの見返りを求めるのです。つまり「ギブ・アンド・テイク」の発想に立ってしまいます。
しかも、私たちは自分のことを好意的に見る傾向を持っていますから、自分がやっていることを過大評価し、他人がやっていることを過小評価するものですから、常に自分のほうが与えることが多いと思うものです。そして、自分はいつも損をしていると思っているのです。
だから、「他人に迷惑をかけない程度に関わっておこう、そうすれば文句を言われることはない」となってしいます。これで振り出しに戻ったことになります。
道徳的に生きるだけでは、足りないのです。それを通り越して共生(Win-Win)の積極的な生き方が求められているのです。