囚人のジレンマ(6) [ゲームの理論]

したがって、私たちが子どもたちに教えなければならないのは、「本来、私たちは他人に迷惑をかけている存在である。だからお前も、他人の迷惑に耐えなければならないのだよ」ということになります。
他人に迷惑をかけるな、だけでは足りないのです。この教えだけを強調すると、迷惑をかけないように努力している人は、それをしていない人を見ると「けしからん」となってしまいます。そして、「なんで自分だけやらなければならないのだ」と考えるようになります。皆が同じようにしなければ不公平感をもってその行為をやめてしまうかもしれません。
そこには、他人に迷惑をかけている自分が見えません。他人に迷惑をかけている自分が許されるなら、他人も同じように許される。自分に向ける視線を他人に向ける必要があるということです。そして、そこから出てくるのが、感謝と思いやりのはずです。これが「お互いさま」ということだと思います。

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