囚人のジレンマ(3) [ゲームの理論]

 私たちは、人間関係のいろいろな局面で「囚人のジレンマ」を感じながら生きています。そして、勝ち負けにこだわった生き方をしています。その結果、「勝ち負け」「勝負ありなし」という基準でものごとを判断することを当然のことのように受け入れています。
ところが、勝ち続けるのが難しいことが解っているものですから、「勝たなくても負けない」という(屈折した)生き方を選択することになるのです。
ただし、これでは自分の生き方として何か足りないということで、さらに「他人に迷惑をかけない」という新しい基準が追加されます。そしてこの2つのル-ルをもつことで、人は自分の人生の体面を保って生きてゆくのです。
「人をさしおいて自分が勝とうとするわけではない」「他人には迷惑をかけない」--このような生き方のどこが悪いのだ、他人からとやかく言われる筋合いはない--と言われれば、「悪いところはありません。ご立派です」と答えざるをえないでしょう。
でも、この生き方は間違ってはいませんが、どこかおかしいのです。何かが足りないのです。

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