リーダー養成講座通信(3) [21世紀を担うリーダー養成講座2010]

5月15日(土)は、次のお二人の講義がありました。
・長谷川匡俊氏(淑徳大学学長)の「般若心経のこころ」
・今井智之氏(元昭和シェル石油の常勤監査役)の「グローバルに通用する経営思考」

1.長谷川匡俊氏の講義内容は以下の通りです。
 「般若心経」は玄奘三蔵法師が7世紀にインドから持ち帰ったサンスクリット文字の経典を訳出したものです。ただ、漢字に訳しきれない言葉は、原語のサンスクリット語の音をそのまま残している。経典は262文字からなり、大乗仏教の教え(真言)のエッセンスが網羅されている。
「般若波羅蜜多」の般若は智慧の意味であり、波羅蜜多は到彼岸、完全に到達するという意味。すなわち、<「ほとけの智慧の完成」の真髄を教えるお経>という意味。
経文の解釈は意訳にもとづいて行われた。そしてキーワードである「色即是空、空即是色」は次のように説明された。
字句どおり解釈すると、「存在は空にほかならず、空は存在にほかならない」ということだが、これは「あらゆる事物はそれ自体としては実体をもたない(空)ということ。すべては変化し、流動するということ。」
全体の意味と流れを捉えたところで、受講生は講師の後を追って経文の唱和を数回繰り返した。
生きる哲学である「般若心経」が身近な存在になってきた。
DSC00312.JPG

2.今井智之氏の講義内容は以下の通りです。
 今井氏はメジャーのシェル石油で働いた経験から、日本では「グローバルというのはアメリカ化と受け止めている人が多いが、アングロサクソン化というのが正解だ」として欧米企業と日本企業の考え方の相違を対比させながら説明されました。
・英国のガラス会社を買収し、その会社の社長を本体の社長に据えた日本板硝子の例
・日本郵政の「かんぽの宿」売却にあたって当時の総務相と社長との間で交わされた情緒的で曖昧な議論の例
・新東京銀行設立時の情緒的な議論の例とその後の動き
などを例としてあげられ、日本的経営には「ロジカルシンキング」の視点が抜けていると指摘される。それを「経営計画のあるべき姿」、「投資案件審査の留意点」、「業績改善への思考改造」、「効果的な組織運営」の4つの切り口から説明されました。
そして、結びとして、論理力というのは説得力の源泉であるとして、次の5つを挙げられました。
1.Relevance : So What? ・・筋違いをなくす。
2.Rationale:  Why So? ・・根拠を質す。
3.Priority:  重点思考
4.Date & Information based arguments: 情報分析にもとづく議論
5.Messages rather than knowledge: 知識の披露より信念の発信
DSC00317.JPG

 

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。