21世紀を担うリーダー養成講座 [21世紀を担うリーダー養成講座]

6月13日(土)は、次のお二人の講義がありました。
・サンデン株式会社会長の牛久保雅美氏の「私の企業経営論―デミング賞経営」
・埼玉大学経済学部 大学院教授の西和彦氏の「起業とベンチャーのリーダーシップ」

牛久保雅美氏の講義の要旨:
サンデン株式会社は、自動車機器システム事業部、流通システム事業部、住環境システム事業部より成り立っており、23カ国、53拠点に展開して世界の優良クライアントを顧客にしている。そのため、製品の品質はもとより、経営の品質を高度に保つことが至上命題であった。牛久保氏は、そのための手法としてデミング博士の品質に関する考え方を社内導入することを決定された。ただし、デミング賞を取ることが目的ではなく、これに応募することにより、製品、会社、社員の品質を高めることを目的にした。そして、TQMをサンデン独自のものとすべくSTQM(Sanden Total Quality Management)活動として展開された。
その過程でSTQM SANDEN WAYという独自の価値観、信念、手法を制定され、世界中の社員にこれを徹底するとともに、この活動をグループ全体に徹底させることで「グローバル・エクセレント・カンパニーズ」の実現に取り組まれた。
その結果、サンデン本社だけでなくグループ企業もデミング賞をはじめ各種の賞を受賞し、当初の目的を達成することができた。そして、その後も継続して品質重視の経営を徹底すべく、社員教育を重点的に行っている。
「すべては、社員教育に始まり、社員教育に終る」と言われる牛久保会長の言葉に説得力を感じることが出来た。
Ushikubo.jpg

西和彦氏の講義の要旨:
西氏は、ベンチャー企業を他の企業形態の中に位置付けて、次のように定義している。
・大企業     資産が山ほどある―但し、日本には100社しかない
・中堅企業    事業計画あり P/L、B/S、C/Fあり
・中小企業    事業計画なし(P/L、B/S,C/Fあり)、数字があっても経営がない
・ベンチャー企業 事業計画あり、P/L,B/S,C/Fあり
つまり、VBは中堅企業と同じ要素を備えているが、
①金がない ②信用がない=お金を借りることができない、③唯一、売れるものは「自分」=「会社」という特徴をもっている。したがって、必要なことは、事業計画をつくって資金提供者(=ベンチャーキャピタル)に株式を買ってもらうことだ。
これができてはじめてVBといえる。(これができない新規企業をVBとはいわない。この定義でVBの範囲は一挙に限定されることになる)。
 そのうえで、企業の考え方として、「これから何が売れるのか」、「ユーザーはこれから何を求めてゆくのか」という発想ではなく、「我々に何が売れるのか」つまり、自分達がもっている強みをどう生かしていくか、という視点が必要になる。
その意味で、西氏はサムエル・ウルマンをもじって、「ベンチャーとは、企業の規模のことではなく、会社のありようのことを言うのだ」、すなわち、小さくても、大きくても、ベンチャーはベンチャーだと言われる。
Nishi.jpg




コメント(0)  トラックバック(0) 

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0